囚人が監獄でどんな自重トレーニングをやっているのか? それがまとまっているのがプリズナートレーニング(英題:Convict Conditioning)という本。
この記事をまとめた図解は上記のとおりで、記事の最後にも掲載しています。
プリズナートレーニングでは、バーベルやダンベル、マシーンなどがなくても自重で十分に鍛えられるということを力説しています。
その一方で、今のフィットネスはおかしいと否定しています。
筋肉だけではなく、関節や腱といったところにも着目してステップアップしていくというのも特徴的だと思います。
本は複数出版されていて、1冊目で十分鍛えられるものの2冊目、3冊目、4冊目とあればより一層鍛えられるようになっています。
プリズナートレーニングシリーズ本の概要
1冊目は基本となる内容。これさえやっておけばOKといってもいいと思います。
全身の主な筋肉を鍛えらえるBIG6と呼ばれる種目を解説しています。太もも、尻、腹筋、背筋、胸、腕などが鍛えられます。
2冊目は、1冊目ではカバーしきれなかった内容を掲載。前腕とかふくらはぎとか、そうしたより細かなところまで鍛える方法と、関節やストレッチにも触れているのが特徴。
個人的にはストレッチに関心があったので買ってみました。その結果、どうせなら2冊目も買ったほうが良さそうだと思えました。
ストレッチは3種類あってそのうちの1つは1冊目にも含めようか迷ったものの、最終的には見送ったという著者のポール・ウェイドさんも一押しと言える種目になっています。
基本となるBIG6を進めつつ、2冊目に書かれているストレッチをオフの日にやるというのが良さそうに思えました。実際、私はそれで進めました。
3冊目はより上級な話と筋肥大にも注目した内容。
個人的には筋肥大ならウェイトトレーニングのほうが研究も進んでいて良さそうな気はします。
ですが、ケガのリスクが大きくてやらないほうがいいというのが著者のポール・ウェイドさんの主張。
4冊目はタイトルを見る限り不要かと思って買ってないので省略します。
これさえやればひとまずOK! BIG6のやり方・メニュー

1冊目に解説されているBIG6をやれば基本的には全身の主な筋肉は鍛えられてOKでしょう。著者のポール・ウェイドさんもそんなスタンスです。
外伝(筋肥大を目的とした自重トレーニングの話)によると1冊目の話は筋力と筋肥大の両方を目指すものだそうだ。
筋肥大といってもボディビルダーのような体型ではなく、ブルースリーのようなイメージ。
BIG6として紹介されている種目は次の6つ。
- プッシュアップ(腕立て伏せ)
- スクワット
- プルアップ(懸垂)
- レッグレイズ
- ブリッジ
- ハンドスタンドプッシュアップ
細かく見ると60種類の種目
それぞれに対して10段階のステップに分かれていて種目の種類は60あることになります。
さらに、ステップ10をこえたときの種目もいくつか紹介されており、実際にはもっとたくさんの種目が紹介されています。
各ステップごとに初級レベル、中級レベル、上級レベルの3段階で目安となる回数(レップス数)とセット数が書かれていて、上級レベルをクリアできたら次のステップに移行します。
細かなやり方は本を買えば分かるというか、それが最も正確で間違いもないです。
なお、最初は上4つの「プッシュアップ」「スクワット」「プルアップ」「レッグレイズ」からスタートします。
残りの2つ「ブリッジ」「ハンドスタンドプッシュアップ」は最初はやりません。
理由はブリッジとハンドスタンドプッシュアップは負荷が大きく、体をある程度作ってからやる必要があるから。
ハンドスタンドプッシュアップは、逆立ちして腕立て伏せやるような感じの種目です。
たいていの人が逆立ちだけでもキツいでしょうから、とてもではないですが、いきなりハンドスタンドプッシュアップなんて無理です笑
BIG6にプラスαするといい3つのストレッチ
1冊目のBIG6だけでも十分だと思いますが、ストレッチにも言及している2冊目の内容も取り入れるとより良い結果が得られるものと思います。
紹介されているストレッチは次の3つです。
- ブリッジホールド
- Lホールド
- ツイストホールド
ストレッチもそれぞれに対していくつかのステップに分かれていて種目数はもっとあります。
著者のポール・ウェイドさんはこの中でもツイストホールドを最重要視しているようです。
先ほども触れたとおり1冊目にも盛り込もうとしたと本人も書いていて、BIG7にするか迷ったそうです。
結局は入れなかったようですが、それほど重視しているストレッチがツイストホールド。もちろん他の2つも重視してはいますが。
2冊目の本にも出演しているAl Kavadloさんが動画を出しているので、それを見るとどんなのかが分かります。
ブリッジホールドのやり方がわかる動画
Lホールドのやり方がわかる動画
本の中での解説はこれとは少し違ってますが、だいたい同じです。
ツイストホールドのやり方がわかる動画
プリズナートレーニングの回数(レップス)とセット数、アップ、インターバル
先ほども書いたとおり、回数(レップス)とセット数は初級レベル、中級レベル、上級レベルの3段階で目安となる数字が書かれています。
上級レベルができるようになったら次のステップに移行します。
プリズナートレーニングのアップ
ウェイトトレーニングの場合、まずは準備としてアップをしてその後に本番かと思います。
プリズナートレーニングも同じ。
筋肉を温めることが重要と説いており、最初にアップをして本番という形になります。
ただ、プリズナートレーニングのアップは同じ種目ではなく、2つか3つ前のステップの種目をやる形になります。
ステップ1とか2の場合は2つ前には戻れないので、今やっている種目を回数減らしてやります。
プリズナートレーニングのセット間インターバル
プリズナートレーニングにおけるセット間インターバルは、明確には決められていません。
インターバル(1セットごとの間隔)の解説はあいまいで、5分以内という書かれ方です。
具体的に何分くらい休めばいいかは触れていません。5分を超えると筋肉が冷めてくるので、長過ぎというのは書かれています。
なので、ウェイトトレーニングの知見を借りるのが良さそうに思えます。
どのくらいの強度になるかによって変わると思いますが、1分から3分、長くても5分くらいでよさそうです。
どのステップかによってもインターバルは変わるものと思います。
ウェイトトレーニングのセット間インターバル
ちなみにウェイトトレーニングだとスクワットやデッドリフト、ベンチプレスなどの大きな筋肉を中心に複数の筋肉を動員する場合は3〜5分くらい。
アブローラー(腹筋を鍛えるコロコロ)なんかは2分。肩(三角筋中部)を鍛えるサイドレイズなどは1分とか。
いろんな考え方があるとは思いますので、これが唯一の正解というのはないと思いますが、使う筋肉が増えるほどインターバルの間隔が長くなります。
プリズナートレーニングの頻度
1冊目には頻度はいくつかパターンが書かれています。
ただ、2冊目の本だと前提が違っているのか1週間に1種目とも書かれており、あやふやな印象です。
なので、ここもウェイトトレーニングの知見を活用するのは手だと思います。
ウェイトトレーニングの頻度を参考にする
ウェイトトレーニングなら週に2回か3回が最適と言われることが多いでしょうから、自分としてはそれで進めています。
筋トレの上級者ならきっちり分割してやるのもいいと思います。
初級者、中級者でトレーニングにかけられる時間に限りがあるなら、1日で全種目でしょう。
1週間のトレーニングメニューの例
なお、週2回から3回というのは同じ部位の話ですので、例えば、以下のようなやり方が考えられます。
プリズナートレーニングでは最初、BIG6のうち4種目しかやりません。理由は前述したとおり、ある程度、鍛えた後でないと怪我のリスクがあるからです(そもそもできないのもあると思います)。
この記事を読む人はこれから始めるか始めたばかりくらいの人かと思いますので、以下の例は4種目しか載せていません。
トレーニング頻度の例1
日:プッシュアップ、スクワット、プルアップ、レッグレイズ
月:休み
火:休み
水:プッシュアップ、スクワット、プルアップ、レッグレイズ
木:休み
金:休み
土:休み
トレーニング頻度の例2
日:プッシュアップ、スクワット
月:プルアップ、レッグレイズ
火:休み
水:プッシュアップ、スクワット
木:プルアップ、レッグレイズ
金:休み
土:休み
トレーニング頻度の例3
曜日を固定する必要はないので、曜日に関係なく2日おき or 3日おきでもOKですね。
こちらはトレーニング休みの日はストレッチという形で1〜6を繰り返すパターン。私は途中からこちらに変更しました。
- プッシュアップ、スクワット、プルアップ、レッグレイズ
- 休み※
- 休み※
- プッシュアップ、スクワット、プルアップ、レッグレイズ
- 休み※
- 休み※
※休みの日は筋トレはしないがブリッジホールド、Lホールド、ツイストホールドをやる。
よく言われるように大胸筋が回復にかかる時間は48時間以上、大腿四頭筋は72時間など、回復にかかる時間は筋肉よって変わります。
いつも同じ時間にややっていれば2日おきなら72時間は間をあけられますので、問題ないかと思います。
プリズナートレーニングを実践する時間帯は?
特に記載はないです。
なので、こちらもウェイトトレーニングと同様に考えていいかと思います。
一概には言えませんし、生活リズムは人それぞれですが、たいていの人は夕方がベストになると思います。
トレーニングNGのタイミング
できれば、トレーニングをさけたいタイミングは寝起きすぐ、食後すぐ、空腹時、寝る直前。
寝起きすぐは体があまり動きませんし、水分不足でしょうからトレーニングはやめたほうがいいというのは察しがつくかと思います。
食後すぐも消化に影響ありでしょう。
空腹時は筋肉を動かすエネルギーを生み出すためにタンパク質を分解してしまう可能性があります。
寝る前にやると交感神経が優位になって眠りにくくなる恐れがあります。
時間帯やタイミングを気にするよりも継続が重要
ただ、時間帯を気にしすぎてやらないのは本末転倒ですから、あまり気にせずにやるのが良さそうです。食後すぐなどはさすがにキツイとは思いますが。
プリズナートレーニングでプロテインやサプリメントは不要?
本に従えばプロテインもその他のサプリメントも不要です。
ですが、筋力アップにはタンパク質は必要不可欠なので、普通にプロテインはとったらいいと思います。
クレアチンとかその他のサプリメント類も同様でしょうね。
必要だと思えば飲んだらいいでしょう。
監獄の囚人の生活に合わせる必要はあるのか?
わざわざ監獄のなかの不自由さに合わせる必要ないと思います。
ちなみに2冊目の本にはこんな記載があります。
アメリカの基準値では19〜70歳の男性の体重90kgあたり1日56gのタンパク質があれば体重維持できる。
だからプロテインなど不要だと。囚人の食事は決められているし。
しかし、「日本人の食事摂取基準(2020年版)」によると、本当にそうか? と思えてきます。
成人男性なら筋肉の維持に必要なタンパク質量は体重1kgあたり0.66gですからちょっと少ないようです。
しかも、維持に必要な量ですからトレーニングする人ならもっと多くとったほうがいいと考えるのが自然かと思います。
タンパク質はもっととったほうがいいはず
制限の多い囚人の食事に合わせる必要はないでしょうし、ある程度のタンパク質量はとったほうがいいのは明白としか思えません。
なので、よく言われる体重1kgあたり1.5〜2.0gのタンパク質というのを目安にするのがよさそうです。
体重は人それぞれなので、除脂肪体重1kg当り2gでもいいでしょうね。詳しくはこちらの論文(英語)を)。
日本ではタンパク質摂取量の上限は定まっていないようです。ただ、タンパク質摂取は体重1kgあたり2gのまでを上限として推奨するケースはよく見かけます(標準的な体重で)。
なので、そのあたりを上限にしたらいいかとは思います。
プリズナートレーニングはジムに行かなくてもいい? 道具はいらない?

プリズナートレーニングはジムに行かなくてもできますが、道具は必要になります。
本の中で使われているのはこちら。
- イス
- ベンチ(ベンチプレスとかで使ってそうな感じのやつ)
- 机(骨盤くらいの高さ)
- ぶら下がれる棒
- バスケットボール
- 野球ボール or テニスボール
- クッション
あとは「床」や「壁」も使いますが、さすがに用意する必要はないでしょうから割愛します。
イス、ベンチ、机
イスやベンチ、机は同じくらいの高さが得られて支えとして使えるなら他のものでもOKです。
ぶら下がれる棒
ぶら下がれる棒はたいていの家にないと思います。
なので、公園でやるか、懸垂マシンでしょうね。
あるいは、階段のステップが板になっていてぶら下がれるような家はそれでもできると思います。
私は都内の1人暮らしで鉄棒なんてあるわけがない生活なので、Amazonで下記の懸垂マシーンを買いました(ぶら下がり健康器です笑)。
ディップスなどもできるやつを買ったので、机の代わりにもなります。
ただ、ちょっと高さが合わないこともあるので、風呂で使っている小さなイスを使いました。
懸垂できる公園のマップ
ちなみに懸垂のできる公園をマップにしているすごい人がいるので、こちらを参考にすると懸垂できる公園を見つけられるかもしれません。
懸垂のできる公園リスト
バスケットボール、野球ボール or テニスボール
バスケットボールは高さの目安として使いますが、動かして使うこともあります。
なので代替品を用意するのは難しいかもしれません。
ただ、動かして使うのはだいぶ先になるので、初めから用意する必要はないです。
テニスボールの用途はプッシュアップのときにどこまで下げるかの目安です。
硬式テニスのボールは直径7cm弱なので、そのくらいの高さのなにかが用意できればOKです。
クッション
クッションはハンドスタンドプッシュアップで頭を載せるときに使っている写真が本にあります。
あとは写真にはないですが、スクワットのステップ1に相当するショルダースタンドスクワットやレッグレイズの一部のステップも床に直だと痛いと思います。
用途はそれくらいなので、クッションでなくても座布団や枕などでもいけるとは思います。
あとは、布団でもいけるとは思います。
図解でまとめ
ということで図解でまとめるとこんな感じ。

本をまだ買っていない人は、ぜひ買ってやってみてください。
ひとまずこちらの一冊があればいいと思います。
ストレッチもやりたければこちらも。
すでに買って読んでいる人は、復習として活用していただければと思います。

コメント