ゲップが止まらない……。お腹が張ってしょうがない……。おならもバンバン出る……。なんてことになっている方へ。
気になるので検索してみると、出てくるのは「食べるときに空気を取り込みすぎている」なんて話。確かにそれはそれであるかもしれません。
ですが、いくらなんでもこんなに止まらないのにあり得ないだろう……。どんだけ空気取り込んでるのよ……としか思えず、少なくとも自分の場合には絶対にそんなことはあり得ないと思っていました。
しかしながら他に情報がなくて困っていたところ、たまたまAmazonで小腸を強くすれば病気にならないという本を発見。タイトルは大袈裟な感じだけれども、注目すべきはAmazonのレビュー。自分と同じような症状の人が良くなったとあっては気になってしょうがない。
ということで、消化器の専門医が書いている本ということもあり、どんな内容なのか知りたくて本を買いました。
結果、その本に書かれた内容をもとに食生活を注意したら見事に改善できました。
改善するための結論はシンプルで、高FODMAPと呼ばれる食品をとらない・減らすことです。
FODMAP(フォドマップと読みます)ってなに? と言う人が大半だと思いますので、以下、症状名や対処法などとともにもう少し詳しく書いていきます。
腹にガスが溜まる、腹が張る、ゲップが止まらない原因はSIBOかも
SIBOというのはこの本で初めて知った症状。SIBOはシーボと読むようで小腸の腸内細菌が異常発生している状態だそうだ。
SIBO = Small Intestinal Bacterial Overgrowthの略で日本語だと「小腸内最近増殖症」。
大腸ではなく小腸の細菌が異常に増えてしまってガスが出ることで腹が張ったり、ゲップが出たりするようです。
怖いのはそれだけではなく、本の帯には「肥満」「うつ」「疲労感」「肌の劣化」「貧血」「狭心症」「糖尿病」「慢性肝臓病」「免疫力の低下」「小腸がん」「リーキーガット症候群」など全身の病気の原因にもなっているとあります。
帯なんてのは出版社が大袈裟に書くこともあるので話半分でいいとしても、過敏性腸症候群の85%がSIBOなんてのを聞くとちょっと怖くもあります。
SIBOを防ぐために食べない方がいい食品
SIBOで苦しむ人(過剰なゲップや腹の張りなどの症状が出ている人)が食べたほうがいい食品ではなくて、食べないほうがいい食品があります。
それが、その症状の原因となる糖質の名前からとったFODMAP(フォドマップ)が多く含まれている食品。高FODMAPの食品を食べずに低FODMAPの食品を食べるようにすれば改善や予防ができるということになります。
FODMAP(フォドマップ)というのは、発酵性(Fermentable)のオリゴ糖(Oligosaccharides)、二糖類(Disaccharides)、単糖類(Monosaccharides)、そして(And)ポリオール(Polyols)」の略となります。
発酵性のオリゴ糖はガラクトオリゴ糖、フルクタン。発酵性の二糖類は乳糖(ラクトース)。発酵性の単糖類は果糖(フルクトース)。ポリオールはキシリトールやソルビトールなどの〜オールという糖質(低糖質の食品によく使われるエリスリトールは含まれなさそう)。
ただ、これだけでは具体的にどんな食べ物が高FODMAP、あるいは低FODMAPなのかは分からないと思うので、次は具体的な食品を。
高FODMAP(フォドマップ)食品と低FODMAP食品
穀類、野菜、果物、乳製品、ナッツ類、調味料、肉などなどけっこうな量があります。小腸を強くすれば病気にならないにも例が載っています。出典元はオーストラリアのモナシュ大学のようなので、ここではモナシュ大学のページからピックアップしました。
モナシュ大学のサイトを見ると例として以下が挙がっています。
オーストラリアの大学というのもあってか日本では馴染みのうすい食品もありますね。アーティチョークなんて名前は知ってますが、食べたことないです。
ピックアップするとこんな感じ。
高FODMAPの野菜(避けるべき野菜)
- アーティチョーク
- アスパラガス
- カリフラワー
- ニンニク
- グリーンピース
- スナップエンドウ
- サヤエンドウ
- リーキ(ニラネギ)
- マッシュルーム
- タマネギ
スナップエンドウって聞いたことあるけど、エンドウ豆と何が違うんだ……と思ったので調べたところ、こんな分類、呼び方でした。
グリーンピース:エンドウ豆の未熟な種子を食用にする場合の呼び方
スナップエンドウ:エンドウ豆の品種の1つ
サヤエンドウ:未熟なサヤを食用にする場合の呼び方
ヨサクマメ:北東北の一部地域での呼び名
ウスイエンドウ(うすい豆):日本での栽培種の一種
キヌサヤエンドウ:日本での栽培種の一種
オランダエンドウ:日本での栽培種の一種
いずれもWikipediaより。
高FODMAPの果物
果物に含まれる果糖はFODMAPのMに該当する。果糖は果物にならなんでも入ってそうな気はしますが、FODMAPの高い低いがあります。
- リンゴ
- リンゴジュース
- サクランボ
- ドライフルーツ全般
- マンゴー
- ネクタリン
- 桃
- プラム
- 洋梨
- スイカ
個人の体験からはここで挙げられているものは問題ないように思います。
個人差はあるでしょうし、量にもよるとは思いますが。
個人的な目安として、リンゴは丸ごと1個(350gくらいで問題なし)食べても問題ないですね。
桃もプラム(種類はいろいろありますが、サマーエンジェルとか楊貴妃とか)も300gくらいまでなら問題ないです。
洋梨、スイカも同様。両方ともおそらく300gくらいまでは大丈夫でした(スイカは重さ量ってないので不明)。
あとスイカ皮は炒め物にして食べますが、こちらも問題なかったです(直径20cmくらいのを1/3にした程度)。
高FODMAPの乳製品とその代替品
乳製品は乳糖(ラクトース)がFODMAPのD(発酵性の二糖類)に相当する。
- 牛乳
- カスタード
- 無糖練乳(エバミルク)
- アイスクリーム
- 豆乳(大豆丸ごとからつくる普通の豆乳)
- コンデンスミルク
- ヨーグルト
アイスクリームは日本でいうアイスクリーム、アイスミルク、ラクトアイスのうちのアイスクリームなのかそれ系全部なのかは不明です。乳糖が原因なので、全部該当すると考えてよさそうです。
個人の体験からOKだった乳製品、NGだった乳製品
以下、個人の体験から補足(あくまで個人の感想です)。
個人的には牛乳は200mlくらいでちょっと来るような気がします。牛乳はあまり好きではないので、そのまま飲むことは基本的にないんですが、料理に使ったときに症状が少しありました。
カスタードは一般的な菓子パンに入ってるくらいなら問題なし。
豆乳は調製豆乳で200mlは問題なし。
ヨーグルトは100g程度であれば問題なし。
高FODMAPのタンパク源(肉、魚介類、豆)
- ほとんどの豆
- マリネされた肉の一部
- 家禽の肉(鳥の肉)
- 加工された魚介類の一部
家禽と言われても……となりそうなので捕捉。poultry とあったのを直訳して家禽としています。
要は食肉用、卵産む用、羽を取る用など人間が利用するために飼育している鳥ということになりますね。具体的にはニワトリ、ウズラ、シチメンチョウ、アヒルなどなど。
ニワトリの肉だけなら chicken でいいはずなので、おそらく鳥の肉という意味でいいかと思います。
ただ、高FODMAP食品にも低FODMAP食品にも poultry あるというのは謎。どっちなのよ……。自身で肉を食べてどうだったか思い返してみるといいかと思います。
個人の体験からOKだった肉・豆類、NGだった肉・豆類
豆に関しては大豆粉のホットケーキミックスでホットケーキをつくったら、ちょっと腹にきましたね。大豆+何かが入っていた可能性はあります。
エンドウマメのパスタ(ZENBのやつ)は、1束80gを食べたらダメでしたが、半分の40gにしたら問題なしでした。
自分としては鶏肉は毎日のように食べますが、問題なしです(胸肉やもも肉を1回で120gくらい食べてもOK)。
ただ、肉にはそもそも糖質ほとんど入っていないのでは? という疑問はあります。
低FODMAPの箇所に加工されていない肉とあるので、加工された肉という前提なのかもしれません。
高FODMAPの穀類
- 小麦
- ライ麦
- 大麦
小麦は実にさまざまな食品に使われているので、ものすごい範囲で該当することになります。
小麦から作った普通のパンやパスタ、うどんなどの主食類は当然ながら、スポンジケーキやホットケーキ、クッキー、スコーンなどのスイーツ関連やシリアルなども小麦が使われていれば含まれます。ただし、グルテンフリーだとFODMAPという観点からは問題ないようです。
個人の体験からOKだった穀類、NGだった穀類
個人的にはパンを1つ食べたところで、問題ないです。
6枚切りのライ麦パンをよく食べてましたけど、1枚食べたところでなにも起こりません。普通のよくあるパン屋にあるパンも1つ食べたところで問題なし。
高FODMAPの砂糖・甘味料・お菓子
- コーンシロップ
- 蜂蜜
- シュガーフリーのお菓子
コーンシロップというのが異性化糖をさすこともあるようですが、そこまでは不明。
もし、異性化糖全般も該当するのであれば、血糖値的にもやっかい。果糖ブドウ糖液糖やブドウ糖果糖液糖も注意が必要そうな気がします。FODMAPうんぬんの前に血糖値の観点からも、少量にしておいたほうがよさそうです。
個人の体験からOKだった砂糖・甘味料、NGだった砂糖・甘味料
個人的にはハチミツは大さじ1杯(15ml)程度であれば、問題ないです。ハチミツと酢とを大さじ1杯(15ml)程度ずつ入れて、水で割って飲むことがありますが、まったく問題ないです。
シュガーフリーというのは、おそらくマルチトールとかが入っているからでは? と思います。
高FODMAPのナッツ・種子類
- カシューナッツ
- ピスタチオ
小腸を強くすれば病気にならないにはアーモンドも20粒以上食べると、高FODMAPとありました。そこまで食べるか? はありますが。
個人の体験からOKだったナッツ・種子類、NGだったナッツ・種子類
個人的には、ミックスナッツを毎日のように食べますが(1袋35g)、カシューナッツがそこに入ってても問題なしです。
また、ピスタチオはチョコレートのお菓子を1箱食べても問題なし。
低FODMAPの野菜・イモ
- ナス
- インゲンマメ
- チンゲンサイ
- ピーマン
- ニンジン
- キュウリ
- レタス
- ジャガイモ
- トマト
- ズッキーニ
低FODMAPの果物
- メロン
- ブドウ
- キウイ
- マンダリン
- オレンジ
- パイナップル
- イチゴ
低FODMAPの乳製品とその代替品
- アーモンドミルク
- ブリーチーズ
- カマンベールチーズ
- フェタチーズ
- ハードチーズ
- 乳糖なし(ラクトースフリー)の牛乳
- 豆乳(ソイプロテインからつくったもの)
ソイプロテイン低FODMAPになるようです。なので、大豆丸ごとからつくる普通の豆乳は高FODMAPでも、ソイプロテインからつくった豆乳なら低FODMAP。
低FODMAPのタンパク源(肉、魚介類、豆)
- 玉子
- 豆腐
- 加工してない肉、魚介類
- テンペ
テンペは大豆の発酵食品。インドネシアなどで見かける食べ物。納豆は高FODMAPでも、豆腐は製造工程でFODMAPの成分が削られるようで低FODMAP。
納豆は高FODMAPらしいですが、個人的にはスーパーで売られている納豆を1パック食べたところでなんの影響もないです。
低FODMAPの穀類
- コーンフレーク
- オーツ
- キヌア
- コーンパスタ
- 米
- サワードウスペルトパン、サワードウスペルト小麦
- ライ麦
ライ麦は高FODMAPにも書かれていて、どっちなのよ……と思わざるを得ない。
サワードウスペルトパンとか小麦ってなんだ? となりそうですが、私も分かりません……。sourdough spelt bread, wheatと書かれていたのをカタカナにしただけです。
発酵されてて普通の小麦とは違うんだろうと思いますが、いずれにしても日本じゃ一般的ではないと思います。
低FODMAPの砂糖、甘味料、お菓子
- ダークチョコレート
- メープルシロップ
- 米からつくったシロップ(rice malt syrup)
- グラニュー糖
低FODMAPのナッツ、種子
- マカダミア
- ピーナッツ
- カボチャの種
- クルミ
どうでもいいですが、ピーナッツは名前にナッツとあるものの、ナッツではなく種子だそうです。
低フォドマップ/高フォドマップ早見表|食材一覧が便利
詳しくはこちらの低フォドマップ/高フォドマップ早見表|食材一覧というページを見るといいかと思います。かなりの量が載ってます。
ちなみに、今回読んだ「小腸を強くすれば病気にならない」という本には、高FODMAPとしてモロヘイヤは書かれてませんでしたが、上記のサイトには載ってました。
実際、私はモロヘイヤを食べたら、しばらくゲップが止まらなくなり腹が張ってしょうがなかったので、実体験から高FODMAP食品であることは間違いなさそうな感じ。
上記の参考サイトも出典はモナシュ大学のようですが、大学のページに進んでも見当たらないものもあります。
高FODMAP食品か低FODMAP食品かどうかが分かるスマホアプリを同大学でリリースしているようですので、気になる方はそれを手に入れるのもいいと思います(有料アプリ)。
高FODMAP食材、低FODMAP食材が分かるアプリ(有料)もあります
オーストラリアのモナシュ大学のページを見ると、FODMAPの高低が食品別に分かるスマホアプリが紹介されています。有料のアプリでこの記事を書いた時点では12.99米ドル(1,400円くらい)。
気になる場合には買ってみるのもよさそうですね。自分としてはある程度の食品が分かればいいと思っているし、英語というのもあって買ってはいません。
個人の感想と実感したこと、まとめ
ということで、個人の体験からは自分の場合には高FODMAP食品を食べることで腸内細菌が異常発生してガスも異常発生。
結果、ゲップが止まらない、屁が止まらない、腹が張るということになるということが体感できました。ゲップが優性のときもあれば、屁が優性のときもあっていろいろですね。
ちなみに前にタマネギを毎日食べるようにしたときはスゴイ量の放屁をしてました……笑。そのうえ、とんでもなくクサイという余計なおまけつき……。さすがに食べるのをやめました。
いくら血液サラサラなんて言われても、一定時間、無制限とも言えるくらいにすさまじいニオイの屁が出るのは避けたい。
モロヘイヤもおひたしにして食べると美味いんですが、ほどほどにします。栄養価的には体に良さそうなのに苦しくなるというマイナス面があるのは本当に残念。
スーパーで買ってきたモロヘイヤを1袋茹でて食べたらめちゃくちゃ大変でした……。
高FODMAPでも少しならOKだし、ものによるという感じ
個人の体験から思うのは次の3つ。
- 高FODMAP食品を一切、食べないようにする必要はない
- 高FODMAP食品に該当していても、症状が出るのは食品による
- 高FODMAP食品の食事歴(蓄積)が関係してそう
高FODMAP食品を一切、食べないようにする必要はない
個人の体験からは高FODMAP食品を一切、食べないようにする必要はないと思っています。食べ過ぎるとダメという感じ。
モロヘイヤで実感しました。一気に全部食べたらやられましたが、量を減らしたら問題ない。
というのも、それまでもモロヘイヤは何度か食べてますが、1袋を2回にわけていたときは症状がきつくなった記憶はないです。
重さは量っていないし、1袋といっても店によって変わるでしょうからなんとも言えないことはあります。また、知らなかったから覚えていないというのもあり得ますが……。
高FODMAP食品に該当していても、症状が出るのは食品による
個人差や食品にもよると思います。ある人はダメだけど、別な人はOKみたいなのもありそう。
私は今ところはあまり糖質を多くとらないことを基本としているので、普通のパンはあまり食べず、食べたとしても1つくらいです。
それ以前は普通にパンも1食で2個、3個と食べてましたが、まったくもって平気でした。腹が張ったという感覚はありませんでした。
今も低糖質のパンはよく食べますが、特にSIBOの症状は出ないです。
パスタも今もたまに全粒粉のを食べますし、低糖質の食生活ではなかった頃は一般的なパスタを大盛りで食べることもありましたが、問題なしでした。
果物はほぼ毎日食べますが(1回あたり200〜300gの量)、スイカを食べてもゲップが出るというのはあまりないですし、桃やプラム、梨、洋梨も同じ。
ニンニクも高FODMAPに入ってますが、そもそもそんなにたくさん食べないはずなので、個人的には問題なさそうには思っています。けっこう大きめの1片を食べても、まったく問題ないです。
高FODMAP食品の食事歴(蓄積)が関係してそう
キムチや納豆を毎日食べ、小麦もたくさん食べるなんてことをやっていると、ブレーカーが落ちて停電するように閾値を超えてしまって症状が出る、といった可能性はあるなと思っています(あくまで個人の体験からの感想です)。
発酵食品(高FODMAPが覆い)を食べないというのは、それはそれで体に良い面を捨ててしまうことになります。
といっても、食べて苦しむのも問題。このあたりは自分の体調をみながらバランスを取るしかなさそうです。
リスクはあまりなさそうなので試すのはあり
症状の改善はあくまで個人の結果であって他の人がどうかは分かりません。
ただ、どんな食べ物を食べないかというだけの話なので、試したところで害はないでしょう。余計にお金がかかることもないと思います。
普段食べているものをチェックしてみて症状が出たときに何を食べていたか記録して、それを食べないようにしたらどうなるかを検証するだけなので。
個人的には今までこの手の本で効いた試しがなかったので、この本の威力には感動でした。
もちろん、試しても効果なしという人もいるとは思いますが、私と同じように改善する人もいると思います。
先ほども書いたとおり、何かを食べないというだけの話であって、よほど訳の分からないことをしない限り、試したところで害があるとは思えません。
なので、食後にゲップが止まらなくなるとか、腹が張ってしょうがないとか、放屁がずごいとかで困っているという方は試してみるといいかと思います。
私は腹痛が止まらないとか下痢が止まらないとか深刻なレベルではなかったので、とりあえず個人でやってみた感じです。
下痢や便秘などで本当に苦しい思いをしている場合は病院に行くのが無難かと思います。
今回、読んだ本は個人的には大当たりでしたので、同じように悩んでいる方は手に取ってみては? と思います。
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